第28回男く祭記念文集 [ 目次 | 前のページ | 次のページ ]

“khaos”発刊に寄せて

顧問  大津留 敬

 今年の第28回文化祭実行委員会の執念たるやまことにすさまじいものがある。
 彼らは一年も前から、附設の文化祭のあり方を考えてきた。「徳安論文」を書いた23回生(中学1回生)徳安彰先輩に手紙を送り「男く祭」が出来て四半世紀も経った現在、マンネリ化した附設文化祭について根底から問い直そうとしたのだ。その問答を生徒会報に載せ生徒会全員の意識を高めようとした。それがどれほど効果をもたらしたかは知らぬが、考えたことを実行したことがスゴイのだ。
 第二に在学中、生徒会活動や部活動を活発にしていた先輩たちを先生方に紹介してもらい、電話をかけ、電子メールを送って、同じ附設の食堂の飯を食って育った男たちが、いかなる職場でいかなる生きがいを持ちながら生きているかを文章にして送ってくれと依頼した。それを記念文集「khaos」として出版し、文化的起爆剤として参加者たちに配りたいと言う。今までの「男く祭」がその時の附設生の平面的なつながりだけの「お祭り」であったのを、卒業生を呼び込んで、・・・・単に講演会の講師としてだけではなく、30名あまりの先輩たちを巻き込んでの立体的、多元的な「男く祭」を構築しようというのである。
 こんなとてつもないことは、一人や二人の有能な生徒がいてもできることではない。実行委員会のすべての委員が議論を重ねて企画をねり、分担を決めて実行しないことにはできないことなのだ。
 電子メールによる原稿は日本各地から、いや世界各地で活躍する先輩たちから続々と届いた。まことに有難いことだ。先輩たちはこんなにも君たち後輩たちを思ってくれているのだ。
 さて、この「khaos」の編集委員たちは、先のように先輩に電話して原稿を依頼した。期日は3月一杯までに、「字数は?」と聞かれると「自由です!」と言ってのけた。これには附設の「曖昧模糊たる自由」の中で育った先輩たちも面くらったことであろう。いや、阿吽の呼吸で理解したのであろうか。長短さまざまな原稿が届けられた。実に個性にあふれた文章である。
 なかにはさらりとしたエッセイがあるかと思うと、博士論文ではないかと思われる長大なものもある。私は一人一人の文章を読みながら「スゴイッ!」を連発してしまった。加藤周一のような文があり、確かに歴史に残りそうな文もある。附設の先輩たちの多士済済ぶりにあらためて目をみはった。何としてもこれを読むことだ。きっとひとりひとりが目を開かれ、先輩たちのエネルギーを与えられ、狭く小さいカラに閉じこもっていた附設生の自己が変革されるであろう。その力を秘めたこの記念文集「khaos」である。寄稿してくれた諸先輩にはもちろんのこと、この作成に力を尽くした編集委員の一人一人に感謝しつつ、完成を心から祝うものである。

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