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私の持論−心理学U

47回生  江崎 仁一

 私は一度小説を書いたという記憶がある。中3のときに卒論で。しかし、今だにその文章を読むことができない。一応、95年度卒論制作集に全文掲載されていますが、恥かしいので読まないでネ。それと、1度文化祭の文集に今回と同じことをしたという記憶もある。高1の時に。それが、実は、「私の持論−心理学」シリーズ(?)の第1作である。その前作には、「コンプレクス」・「劣等感」について書いた気がする。となると、第2作では「記憶」しかないでしょう。いや、別に何の関係もないです。というわけで、事典の語を借りつつ、私なりの考察を述べさせていただきます。
 −お久しぶりです。早速ですが、そもそも「記憶」についてはどのような定義がなされているのですか?
 オコタエシマス。過去の経験を貯蔵あるいは保持し、何らかの形で再びそれを取り出して再現する機能のこと、また、保持されている内容を対象化して記憶と呼ぶこともあります。
 −種類は?
 オコタエシマス。さまざまな分類がなされていますが、現在最も多く用いられているもの、@感覚記憶(SIS)A短期記憶(STM)B長期記憶(LTM)の三種類への分類であります。
 −では、まず感覚記憶については?
 オコタエシマス。各感覚器官にごく短時間(約1秒内外)とどまっていると仮定されたもので、各感覚にそれぞれ特有な記憶であるとされています。
 −次に、短期記憶とは?
 オコタエシマス。刻々過ぎ去っていく知覚対象を保持する機能のことです。その中で、意識されている心理的現在は、瞬間ではなくある一定の時間の幅を持ったものであり、一次記憶とも呼ばれています。しかし、常に意識されている対象の記憶なので、忘却速度は早く、貯蔵に限界があります。
 −それでは、長期記憶について?
 オコタエシマス。容量の限界もなく、もはや失われることなく保持される情報、と考えられています。しかし、現実を見てみると、諸々の原因によって忘却は起こっています。また細かくは、エピソード的記憶、意味論的記憶に分けられています。
 −ところで、よく「記憶する」と用いるけれど、一瞬で「記憶」することは可能ですか?
 オコタエシマス。時間的観点から見ると、記銘、保持、再現の3過程が含まれています。したがって、「憶える」という行為は一瞬で完成しています。が、再現という過程が、その他2つの過程と同時には起こり得ないので、答えは、NOであると考えられます。
 −やはり、その過程の中で、記憶の内容は言語形態ですか?
 オコタエシマス。必ずしも言語とは限りません。@視覚的記憶。これは画による記憶で、呈示時間、刺激、視野などの影響を受けます。ちなみに、顔の記憶は長期記憶です。A聴覚的記憶。B触覚的記憶。C味覚的記憶。D嗅覚的記憶。E運動感覚的記憶。すなわち、感覚記憶の段階から、短期〜長期記憶へと移っていくために、さまざまな形態をとるようになったのです。
 −さて、ここからが我々受験生にとって本題となりますが、はじめに、記憶の様式にはどのようなものが?
 オコタエシマス。論理的記憶、観念的記憶、機械的記憶(暗記)の3様式があります。ここで、暗記は、情報処理水準の浅い約10歳までの児童の記銘様式としてしばしば見られます。ということは、思考力がついている受験生にとっては、観念的記憶が最適ではないでしょうか。
 −都合のいいことを尋ねるようですが、記憶術などは?
 オコタエシマス。確かに存在してはいます。が、もともと記憶術は無意味な材料や構造のない材料を覚えるためのものであって、文章などには特に有効でないとされています。とにかく、参考程度に記しておきます。@有意味化。例えば、√2を「ヒトヨヒトヨニ…」など。Aイメージ(心像)の利用。Bローマ時代に発達したといわれる場面法。
 −逆に忘れない方法などは?
 オコタエシマス。記憶には3つの過程があると先程申しましたが、その中の再現がうまくいかなくなることを忘却と称しています。つまりは、再現がスムーズに行われればよいわけです。そのためには、記銘した時の手がかりを変化させないことが重要です。また、その時の手がかりが多岐にわたっていれば、一層忘却は起こりにくくなるでしょう。
 −もう最後となりましたが、心理学と記憶の関係について一言。
 オコタエシマス。記憶というものはもとより、人間の生活に必要な精神機能であり、隠蔽記憶を手がかりとした精神分析もなされています。そして、心理学の中には、記憶の過程を考察する記憶心理学という部門すらあるのです。
 −どうもありがとうございました。
 これで終了となりますが、「記憶」について、何か新発見はあったでしょうか。もしそうであれば、いうことはありません。それにしても、世の中には記憶力が並外れている人がかなりいます。一度もメモしたことがない人もいるそうです。(私はまだそのような人にお目にかかったことはないけれど…。)
 とにかく、受験生よ、がんばりませう。
 (ちなみに、第3作は「睡眠」の予定です)
参考文献 新版心理学事典 (平凡社)


江崎 仁一(えさき・ひとかず)

現高校3年。

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